棒棒鶏

当店の前菜はランチタイムの6600円のものは7品、13200円以上は11品あり、そのうちの4品を棒棒鶏にしています。

1930年ごろに棒棒鶏が生まれたと言われており、楽山という世界遺産の大仏で有名な地域の隣の漢陽覇というところが発祥です。そこから年代ごとに四種類の棒棒鶏をお召し上がりいただいています。

棒棒鶏の名前の由来は棒で叩くということですが、棒で何を叩くかは諸説あり、一般的には鶏を叩いて柔らかくすることですが、鶏に添えた包丁を棒で叩くというパフォーマンスもあります。では棒棒鶏の条件が棒で叩くことかというとそうではなく、中国最古の農書である斉民要術にも肉を棒で叩く記述があります。

お店のテーマとして中国のひとつの地域のある時代の料理を切り取ってお客様に提供するということがあります。棒棒鶏も地域別、時代別に四種類お召し上がりいただきますが、全て文献をもとにレシピを作り出したものです。私は料理にオリジナリティは不要だと考えていて、時代、地域、そしてそれが重なった料理と、お客様が普段知っている料理との差を感じながらお召し上がりになっていただければと思います。

私の味ではなく古くからある地域ごとの味を。オリジナルではなく新しい古い時代の味をお楽しみください。