[四川料理巴蜀]のかくし味

Blog of Hashoku

塩辛いもの

物書きの資料探しで昔買った木村春子著「火の料理 水の料理」を読んでました。僕は若いときに読んだのであまり覚えてなかったのですが、中国の中国料理を知る上で中国料理の若い調理師にぜひ読んでいただきたいと思いました。特に日本人厨師の傾向という部分はかなり頷けます。

 

親方から特に教わったのは塩味の決め方です。味が薄ければ中国料理ではありません。火の料理水の料理でも指摘していますが、“安易に「日本人の口にあわせる」ことを優先に低い次元で迎合されると、中国料理の形をしていても、中国料理の良さが消えてしまうので、可能な限り中国料理の特徴を重んじながら、日本的な美点を加味してほしい”“中国料理に見せかけた国籍不明の食べものだったり、いい加減な中国風和食になっては残念である”というように、ポイントがずれていると中国料理ではないと考えていまして、その大きなポイントが塩味です。

特に当店では麻婆豆腐の塩味には強いこだわりがあり、塩辛いギリギリまで攻めてます。京都からきた調理師に、こんなに塩攻める店大阪東京にはありませんわとクレームをいただいたのですが、まあ誉め言葉としていただいておきます。クチコミサイトに書いていただいた塩辛いというクレームにつきましても、中国料理の価値観を体験できる店として大いに宣伝していただいていると感謝しております。

 

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