[四川料理巴蜀]のかくし味

Blog of Hashoku

全部使う

全部使う

町場の一般店とホテル、それぞれ教え方がありますが、今思うのは個人か法人かでかなり意識は変わってるのかもしれないということです。

うちは入社してすぐに、売上がどの程度あれば最終利益はどの程度残るのかを従業員に説明しています。私は経営者として優秀ではないので売上を増やすアイデアはありません。その代わり限られた売上に対して最終利益を増やすことはできます。それは調理師の仕事の範疇だからです。

法人のように給料が出るところと、残ったものが給料になる個人経営ではオーナーの考え方は全く違うのではないかと考えます。従業員がミスをして捨てた材料、流しっぱなしの水、出しっぱなしの火、それが自分の給料に反映されないのが法人で、給料が減るのが個人です。

従業員の練習の材料費は私が払っています。ミスをしたときの費用も私が出してます。それを未来の所得として許容する(今後も引き続きさせる)のか現在の所得を取る(取り上げて以後自分でする)のかは自由ですが、その月その月の管理をおろそかにするとすぐに所得がなくなるのが個人事業主です。赤字でも給料が出る立場とは違います。ギリギリの毎日の積み重ねのなかで長い目でみられる心が育まれるのが先か、脳梗塞で倒れるのが先か。

利益を出すために何をするべきかも細かく教えています。「全部使う」です。食材のロスに気を付けるのは誰でもわかりますが、例えば包丁を研いでいるときの流しっぱなしの水、料理が出来てガス台から鍋を外しているときの強火、必要なものでしょうか。もっと言えば動き。意味のない動きがお金になるのは雇われているときだけで、個人事業主になると意味のない動きはお金になりません。「忙しいだけでぜんぜん儲かってないんや」ってよく聞きませんか?忙しいのに儲からないのは何故か、若い頃からいろいろ考えて仕事をすることで将来の所得は間違いなく増えます。

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