[四川料理巴蜀]のかくし味

Blog of Hashoku

厳しい

おせちあと五個ぐらいです。ご検討中のかたお早めにどうぞ。

 

うちにくる従業員はみんな、僕の指導よやり方に関して今まで経験したことがないことを言うと言います。それは何か最近ずっと考えています。

 

僕が厳しいわけではないと思います。うちの怒るところを大切な順に並べると

 

①手抜き

②不潔

③お客様目線ではない

 

です。

①例えば料理の手順を失敗したとして、それをなんとかやりかえてお客様に出そうとしたとします。「一度失敗したものを手直ししたものと、最初から最後まで正しい手順で作った料理が同じ値段だったらお客様どっちを注文する?」と言います。

 

②汚い水で床を流したり、拭いてない台の上で作業をしたり。僕は先輩に厳しく指導していただいたおかげで、今の調理場はたくさんのお客様にキレイだと誉めていただけます。汚いことに気を払わない従業員には「キレイなお店と汚いお店、同じ味ならお客様どっちに行くと思う?」と言ってます。

 

③僕は自慢ではないですが、盛り付け早いと思います。鍋のなかで盛り付けをするだけの状態の料理を、「お皿に盛ってお客様のテーブルに奥まで」を日本で一番早くすることを目指しています。それをモタモタと盛り付けて冷めてしまったり、出来ている料理を持っていかなかったりすると怒ります。

 

何度も書いていますが、調理場で一番力量がわかるのは洗い場です。ランダムにくる皿をどのように洗ったら早いか、考えるのがメニュー作りです。ラックの中にどのように並べてどのように拭くか、これが仕込みの早さとクオリティです。キレイに拭いてもとのところに戻す、これが盛り付けのキレイさと後片付けです。店でやる仕事の縮図だと思います。うまく洗い場回せないひとは料理の段取り悪いです。皿を汚いまましまうひとは盛り付け汚いです。

 

お客様の利益のために、真剣に作った料理を早く提供することはオーナーシェフなら当たり前です。お客様が来てくれないなら所得はありません。それを意識していない人が来るとなかなか続けられないと思います。

 

独立したい人に考えてほしいことがあります。同じ店のなかで、同じ給料で、仕事多いほうが得なのか、仕事少ないのが得なのか。

 

仕事多いということは何が得か。同じ勤務時間のなかでスキルアップが人よりできます。仕事少ないのは何が得か。体力使わずすみます。した仕事にお金の価値を当てはめると同じ給料で仕事少ないほうが1つ1つの仕事に対する給料は高いです。

 

お客様というのは調理師それぞれのスキルを意識して食事にきてくれるわけではありません。お客様が料理に希望があったとしても、店に言うかどうかは調理師のスキルに応じて決めるわけでもありません。

 

たくさんの料理を経験した調理師はお客様の希望にたくさん対応できます。逆に経験してないひとは対応できず、独立したら苦労します。できることが増えることはお客様の数を増やす可能性があります。できることが少ないということは来てくれるお客様の層が少なくなるかもしれません。

 

お客様がいらっしゃるかどうかをこちらが決めることはできません。できるのは自分のスキルアップによってお客様のお店選びの選択肢のなかに入れてもらうことだけです。将来に渡って損するのか得するのかは自分が現状がどうなのか意識して、出来ないことを探し、それをなくす努力をするかで決まります。遊んでいる時間はないです。調理師は人生賭けて仕事してます。

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