The Story

「四川料理のゴールデンエイジ」

料理を新しい方向に進化させることもいいかもしれませんが、
古い料理を再現して現代に蘇えらせること、
まわりの変化に抗いながら、 常に古い時代の料理を追求することという、
進まないという進化があってもいいのではないかと考えます。
レストランというのは食事だけではなく食文化や歴史なども提供するところです。
おいしいことが全てではないと考えておりますので、
お客様にも当店で文化に触れていただけたらと考えております。

四川料理が、1980〜2000年に最高の時を迎えたと考えています。

中国四千年の歴史といっても、中国料理の歴史は二千年程度。その中で蜀の国として栄えた四川省は、古くから食が発達した地域です。皆さんにおなじみの四川料理である担々麺や麻婆豆腐はそれぞれ175、154年前にできました。そして四川の代表的な味付けである魚香は110年ほど歴史です。当店ではその時代を経て長い間培われてきた四川料理が、1980〜2000年に最高の時を迎えたと考えています。

「王婆蕎面」は40数年受け継がれてきた店。

四川省成都市・五塊石綜合市場

成都市五塊石市場

少ない調味料で百菜百味、一菜一格の味付けがあった100年前の四川料理。

100年前の四川料理は、調味料の数を4〜5種類しか使用しなかったといわれています。その少ない調味料のなかで百菜百味、一菜一格(100の料理に100の味付けがあり、それぞれの料理に品格がある)といわれるものを作ってきました。当店もそれにならい、できるだけシンプルな調理方法、調味を心掛けています。味付けの中心は岩塩で、それに発酵食品や香りのある油を組み合わせて深みを出しています。

成都市での四川料理

2千年の歴史の集大成とも言える1980〜2000年の四川料理は色あせることはない。

成都の中国料理は2003年の西部大開発でダメージを受けました。当店はそれ以前の古き良き時代の料理を再現することに挑戦し、四川でも見られなくなった懐かしい四川料理を提供することを目指しています。日本の四川料理、成都の現代の料理は、それぞれ変化しています。ただ2000年の歴史の集大成とも言える1980〜2000年の料理は、時代を経ても色あせることはありません 。


成都市にて