[四川料理巴蜀]のかくし味

Blog of Hashoku

美味しいもの

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季節に作って前菜でお出ししたらそんなに評判が良くなかったので、現地で実際食べてみました。「蜀南手剥筍」とか言う料理名だったはずです。
実際食べてみて同じような味だったので間違ってはないなと思いましたが、美味しいかというと確かに風情しかないような感じですね。
外国料理の難しい所はそういうところだと思います。調理師が「美味しければ何をしてもいい」というのは中国料理の敷居を下げてたくさんのお客様に料理を楽しんでいただくつもりかもしれませんが、その調理師の美味しいがお客様の美味しいと同じかどうかがわからないので、ずれていれば悲惨です。
外国料理をやるなら自分の味付けだけを信じることはできませんので、このような美味しいとは思えない料理を再現する努力や、この料理でいえば香辛料(たぶん八角、桂皮、ウイキョウ)の組み合わせに込められた理由を探していくことが大切だと思います。自分にとって美味しくないと思う料理を似せることは難しいですが、結局外国料理の調理師の目指すところは本物の味ですので、そこに自分の美味しいが入って邪魔をするのなら美味しいなんて必要でしょうか。
うちの店の料理が美味しくないという言い訳もここまで来るとすがすがしいですか。

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