[四川料理巴蜀]のかくし味

Blog of Hashoku

修行

努力について

努力について考えることがありましたのでまとめてみます。準備をすること。例えば昔は準備ができてないとさせてもらえませんでした。やりたいと思う気持ちは向上心なのは認めます。でもその気持ちだけでは単なる練習です。

おせちの仕込みのとき、夜中の二時に従業員が桂剥きをしたいと言いました。桂剥きはうちのおせちのメインとなる部分なので何回も断って帰しました。でも準備か出来てるのかなと思い、わざと少し足りないかなと思う量だけ仕込んで帰りました。

次の日に足りなかったのでやらせてみたら、調理師学校の学生のテストのようなレベルのものしか切れません。これが私のいう準備が出来てないということです。

30日に桂剥きができなかった。それはつまり練習を本番と思ってるということです。練習は練習であって本番ではありません。練習すらダメなのであれば成長することができないのではないか、そう思うでしょうか。30日の桂剥きは本番です。それでは1日に同じ量、七キロの桂剥きを二時からやれというと同じ気持ちでやるでしょうか。その気持ちに少しでも差があるのなら、30日の桂剥きのクオリティはお客様に出せるレベルではありません。

正月の桂剥きが同じだというのなら、30日の前日はどうですか?一週間前は?一ヶ月前は?準備期間は二ヶ月ありました。30日でもどの日でも練習は同じ気持ちでできるはずです。でも2ヶ月前の練習は本番ではなくて30日の練習は本番であることは本人はわかっています。その気持ちの差が料理のクオリティにつながると思っています。

教えるということは短期的にはこちらにメリットはありません。長期的な部分を見てやっとこちらのメリットが出てきます。それを踏まえたときに従業員は辞めないこと、向上心を持ち続けること、成長することが求められます。それができない相手に我々は料理を教える義理はないのかもしれません。

従業員が得るものに対して経営者が求めているものは店それぞれだと思います。うちは従業員の成長を求めます。中国料理の店で従業員の調理師としての成長を喜ぶ店はあまりないと思います。おそらくほとんどのオーナーシェフは自分のやりたいように動いてほしい、お店のやり方だけが100%と思ってほしい、そう考えてるんじゃないでしょうか。

中国語で一口吃个胖子という言葉があります。否定型で一口吃不成胖子とも言います。一口食べてデブになることを求めるな、つまり少ない努力で成功できると思うなということです。でも1日は24時間しかありません。睡眠時間も休憩時間も趣味も家族サービスも必要ではないですか?そうなったら全ての栄養を脂肪に変えるしかありません。そのための近道を私は教えているつもりです。

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