[四川料理巴蜀]のかくし味

Blog of Hashoku

中国語と中国料理

ちょっとした自慢なんですが、私は中国語ができます。でも店ではほとんど使いません。

 

去年いた若い従業員に、友達がどういう苦労をしてるのか情報交換してみたらと言ったら、料理名や調理用語の中国語を覚えるのが大変だと言ってたとのこと。うちに関してはそれはほぼないです。

 

僕はいろんな調理場に入ったわけではないのですが、東京の店、北九州の店で同じものを指す言葉が違いました。イントネーションも違います。でもそれは日本的な中国語であり、中国に行って通用するものではありません。例えば青椒チンジァオをチンジョーと言ってみたり、家常ジアツァンをジャーサンと言ってみたり。中国で通用しない、店によって違う中国語風日本語を覚える記憶力があるなら他に使ったほうがいいと思います。

 

動詞で言ったら和えてならバンして、炒めてならツァオして、蒸すならゼンして、茹でるならタンして、剥くならシュエして(ボーして)、チシャとうのような葉をちぎる(むしる)ならピエして、液体から取り出すならラオして、浸けるならゼーして、電子レンジならチンしてってなんか意味ありますか。(中国語できる人はレンジで温めてもらうときに女の子にわたしてチンイーシャーって必ず言います)

 

でも中国語はできないよりできたほうがいいわけで、店のなかだけで通用する符牒を覚えて満足するか、中国人が聞いてもわかってくれる言葉を覚えるのかというのは結局個人の向上心にかかってきます。うちの親方はよく「できないんだったらやらなくていい」って言ってましたが、「でも、できたほうが得でしょ」というのが本音だったと思います。できたほうが得かどうかは本人が決めることですが、できたほうが所得は増えるのは間違いです。

 

 

カテゴリ
月別記事